「床に落ちた物を拾おうとして腰を曲げたら、お尻から足にかけて強烈な痛みが走った。」

時々患者さんからこのような話をお聞きすることがありますが、これは「坐骨神経痛」の症状の一例です。

坐骨神経痛は30~40代の方に多く見られ、日常の生活習慣やスポーツによる「腰痛」を繰り返した結果、起きてしまう症状と考えられています。

<坐骨神経痛とは?>

坐骨神経痛とは病名ではなくあくまで症状の総称であり、多くの場合は腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアが原因で坐骨神経痛が起こると考えられています。

この痛みは坐骨神経(腰から足先にかけての神経)に沿って現れ、「腰痛・足にかけての痛み」が単独にまたは合併して起こります。

症状が重くなると、足が痛くて歩けなくなったり排尿障害を起こす場合もあります。

痛みの原因を概ね特定し、それを修復するための施術を行っていくことで長年の辛い痛みも徐々に軽くなっていきます。

一時的な痛みの解決が必要な場合もありますが、まずは症状の原因を調べるために治療院に行くことが先決だと思います。

ただしこの「腰痛・足にかけての痛み」は坐骨神経痛以外に、足の血管が詰まる閉塞性動脈硬化症、子宮癌、前立腺癌などの病気が原因で起こる場合もあるため、初診の際の問診・触診・検査の結果によっては施術は行わず、病院での受診を勧める場合があります。

<坐骨神経痛にはこんな施術を行っています>

前述したように、坐骨神経痛の発生原因は腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアに大別されるのですが、各々の痛みを感じる時の姿勢はほぼ逆であり、運動療法における背骨の動かし方も逆の動きとなることが多くなります。

したがって治療においてはまず初めに坐骨神経痛が起きる原因を推定するための鑑別診断を行います。

鑑別診断は問診・触診・検査によって行い、その原因が概ね推定した後は運動療法も含めた整体・マッサージ・鍼灸による施術を行っていきます。

施術は神経痛が出現する範囲だけではなく、神経痛を助長している、もしくは神経痛の影響により不調をきたしている部分に対しても行います。

また院内の施術以外に、ご自宅で実践していただくための運動療法の指導も行います。(これがとても大切です)

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【坐骨神経痛の患者さんの声】

(70代 女性Nさん)

整形外科において腰部脊柱管狭窄症と診断された方の症例です。

年齢が60才を超えた頃から常に腰に痛みを感じるようになり、2~3年前から右側のお尻と膝から下の外側に痺れや違和感を感じるようになったそうです。

●椅子に座った状態で腰を後方に反らすと腰が痛い
●自宅の近所を歩いていると10分もたたないうちに足が痛くなって、しばらく休まないと再び歩けない
●ここ1年は車輪付きの歩行器を使用して歩いている
●ここ1~2年、肩こりがひどい

このような症状に対し、次のような施術を行っています。

■骨格の触診、筋力の検査、関節の可動性の確認
■無理のない範囲で、痛みが出る姿勢を確認
■動きが低下している関節の調整
■腰から足にかけての鍼灸施術
■血液循環を良くさせるためのマッサージ

<患者さんの感想>
 
今まで整体や鍼灸の施術は受けたことが無かったので少し不安だったのですが、初めて施術を受けた後は体が軽くなるとともに腰の痛みが和らいだ気がしました。

初めての施術から2~3日過ぎるとまた痛みが出てきたので、しばらくは週1回の間隔で施術を受けることにしました。

2カ月ほどの定期的な施術と先生に教えて頂いた自宅での運動を続けたことで、腰の痛みや肩こりが随分と楽になり、歩くことも以前よりは辛くなくなりました。

今後も自宅での運動は継続してまいります。