肩こりとは首・肩・腕周辺の「だるさ、疲労感、痛み、シビレ」などと表現されています。
中学・高校・大学でのびのび過ごしてきた若者が社会人となり、『会社でのストレス・残業による寝不足・パソコンによる眼精疲労・育児による全身疲労・・』を経験するようになります。
このように肩こりは「生活習慣の悪化」「長時間の同一姿勢」「運動不足」などが、その発生原因として考えられます。
<仕事や育児が原因なの?>
○長時間のパソコン作業
○長距離運転
○赤ちゃんの抱っこ
これら”同一姿勢による特定の筋肉・関節への負荷”により、以下に示すようなことが体に現れます。
■特定の場所の筋肉が硬くなる
↓
■関節の可動範囲が減少する
↓
■血液や体液の循環が低下し、疲労・発痛物質が体内に停滞
↓
■こり・痛み・疲労感・だるさ・冷え・・などを認識
それでは肩こりを感じた時、一般的に「どの辺の関節や筋肉に支障が出ているのか?」、についてお話します。
<首・肩・背中の関節・筋肉>
①首
肩こりには首の骨(頚椎)とその周りの筋肉が深く関わっています。
人間の頭は3~4kgの重量があり、それが前後左右に動くのですから、頚椎やその周りの筋肉には常に相当な負担がかかっています。
長時間のデスクワークなどで悪い姿勢が続くと、これらの筋肉に負担がかかり肩こりの原因につながります。
②肩
肩関節には重たい腕がぶらさがっているため、それだけでも常に相当な負担がかかっている関節と言えます。
「肩甲骨が肋骨にピッタリと貼り付いてる」「一回、肩甲骨を取り外して貰いたい」、時々このようなことを患者さんからお聞きします。
肩こりを感じている人の多くは、肩甲骨周りの関節の動きが悪くなっています。
また、肩周りの筋肉には「姿勢保持」や「腕の動き」に大きく関わっているものがあります。
「赤ちゃんを抱っこしての外出」などが続くと、このあたりの筋肉に疲労が蓄積し、肩こりを感じるようになってしまいます。
<肩こりのパターン>
肩こりのパターンを大別すると、以下のようになります。
①首から肩にかけてのこり
②肩から腕にかけてのこり
③肩から背中にかけてのこり
<肩こりの施術方針>
私が肩こりに対して施術を行う時は概ね①~③の部位に対して、整体・マッサージ・鍼灸・ストレッチなどを組み合わせて行っています。
ただし、これだけでは肩こりで”辛い部分”が楽になるだけです。
私が留意していることは、「肩こりが起こりにくい体づくり」のお手伝いをすることです。
すなわち、患者さんの「ここが凝ってるから、ここを揉んでくださいよ~」という要望に「はい、ここらへんですね~」と言って揉むだけではなく、問診・触診・検査等より体の状態を把握し、肩こりが起こりにくい体づくりを目指しています。
<肩こりの施術の流れ>
①問診
まずは問診票にいろいろと記入していただきます。
●どこが辛いですか?
●いつ頃から辛いですか?
●どの様な姿勢の時に最も辛く感じますか?
●原因として心当たりはありますか?
●過去・現在のケガ・病歴
●この症状に関して、病院・治療院での受診の有無
●普段の生活状況(仕事・食事・趣味・睡眠時間など)
問診票へのご記入が終わったら、その内容についてご質問させていただきます。
②触診
次は実際に患者さんの体に触れて、体の状態を確認させていただきます。
確認事項の一例を以下に示します。
●起立した時の姿勢
●頭~背骨~骨盤~脚の骨格形状
●体全体の筋肉の状態
●首や背骨や骨盤の関節の動き
③検査
「手足を動かす」という動作は、脳からの指令が神経を介して手足の筋肉に届くことによって起こります。
骨格が正常な状態に近いほど手足は充分な筋力を発揮できます。
ところが「長年の悪い生活習慣」や「重労働」などにより、骨格が正常な状態にない時は、手足は充分な筋力を発揮できません。
検査では「骨格の形状」や「関節の動き」を踏まえた上で、
●体の各器官(手足など)が「発揮している筋力」
●体を動かした時の「関節の動き方」「痛みの有無」
●不調の原因が、どのあたりの神経に起因しているか?
などについて確認します。
そして患者さんには、正常でないところを自覚していただきます。
④施術開始
問診・触診・検査を行ったら、施術の開始となります。
●マッサージ
●整体
●鍼・灸
これらを、患者さんの症状に合わせて行います。
※患者さんの訴えが肩こりであっても、概ね全身を施術することとなります。
⑤施術終了
施術終了後は、次の事項について患者さんに確認していただきます。
●施術前の体(関節)の動きが改善しているか?
●痛み、だるさが改善しているか?
●体の各器官(手足など)が「発揮している筋力」が改善して
いるか?
===
【肩こりの患者さん】
(30代主婦 ピアノ講師 肩こりの訴え)
小学校~中学校に通うお子さん2人がおり、自宅でピアノ教室を開いているこちらの方は、育児・仕事で蓄積した「長年の肩こりや目の疲れ」を訴えられていました。
色々なマッサージ店での施術経験があるため強めのマッサージなどは、全く平気とのことでした。
仕事柄両腕を前に伸ばし指先に神経を集中させていることから、肩・首・腕の付け根・背中あたりのこり、関節の動きの低下が見られました。
また、生徒さんの隣に座って指導する際に上半身を生徒さん側に捻っていることなどから、首・背骨・骨盤の歪みもありました。
■骨格の触診、筋力の検査、関節の可動性の確認
■リラックスした状態にするための全身マッサージ
■痛みやこりの原因となっている関節の矯正
初回の施術で主症状はかなり改善され、その後は概ね2週間に1回の施術で良好な状態を維持されています。
また感想として、次のようなことを仰ってました。
<感想>
久しぶりにスッキリした感覚に戻りました。
ピアノを生徒に教えている最中や家事の際、いつも首・肩のあたりがモヤモヤしていましたから。
肩こりがひどくなると頭痛が起きることもありましたけど、これからは頭痛の心配は無いような気がします。