肩こり・頭痛・倦怠感などの症状はあるのに、病院の検査では「異常無し」、自律神経失調症の特徴です。
昔はあまり聞かれませんでしたが、最近は「ストレス社会」という言葉が示すように、肉体的・精神的ストレスを強く感じている人が増えているようです。
それではこの肉体的・精神的ストレスは、どのようにして増えていくのでしょうか?
家庭内や仕事上のトラブル・人間関係、育児による疲労の蓄積、不規則な生活、などなど・・・
ここでは、現代病の一つである自律神経失調症について書きました。
症状の辛さをなかなか周りの人にわかってもらえず、一人で頑張リ過ぎて悪循環に陥ってしまうなど、改善できずお困りの方は是非お読みになってください。
<慢性的なだるさ、気分の落込みが続いている・・・>
自分では心当たりが無いのに、頭痛や慢性疲労などの身体的症状が長期間続いている。
また精神的な症状として憂鬱感や不安感、さらに「常に気分が晴れない」などの落ち込みが続いている。
もっと爽快な気分で日々を過ごしたい、元気な身体で育児や仕事に集中したい。
私が優和治療院を開業してから、またいくつかの治療院に勤務していた頃から、この様な症状を訴える患者さんは実に多かったです。
<自律神経失調症とは?>
どんなに不規則な生活を送って体調を崩しても、昔は「それは自律神経失調症ですね」と言ってもらえることはなかったそうです。
自律神経失調症という名称が一般に知られるようになたのは、ごく最近のことです。
(1)自律神経失調症の症状
症状を大きく分けると、次のようになります。
①体の全体に現れる症状
慢性的な倦怠感、微熱、不眠、疲労感など
②体の各器官に現れる症状
頭痛、肩こり、耳鳴り、便秘、下痢など
③精神に現れる症状
落ち込み、情緒不安定、不安感、集中力の低下、無気力など
(2)自律神経失調症の発症原因
自律神経のバランスが乱れることにより、様々な症状が体や精神面に現れてきます。
バランスが乱れる要因として、次のようなことが挙げられます。
①日々のストレス
職場・学校・家庭内での人間関係、仕事・育児の重圧など
②長期にわたる不規則な生活
夜型生活、慢性的な寝不足、不規則な食事の時間など
(3)自律神経って何?
自律神経は「自分の意思で止めたり動かしたりできない部分(内臓や体の器官)の機能を調整」する役目があります。
「夏の暑い日は汗をかき、冬の寒い日は鳥肌が立つ」「走ると心臓の鼓動が速くなり、休めば徐々に鼓動が元に戻っていく」、これらの現象は全て自律神経の働きによるものです。
ここで、自律神経は次の二つに分けられます。
①交感神経
怒り、恐怖、危険が迫ってきた時に働く。
血圧を上昇させる。
②副交感神経
リラックスしている時、睡眠中に働く。
血圧を下降させる。
要するに、この二つの神経「交感神経・副交感神経」のバランスの乱れが、”自律神経失調症”の発症要因となります。
<自律神経失調症に対してはこのような施術を行います>
自律神経失調症の一般的な施術方法には、以下のようなものがあります。
■薬物療法
■心理療法
■理学療法
■生活習慣の見直し
上記の施術法の中で私が行っているものは、「理学療法、生活習慣の見直し」です。
以下に、これらについてお話します。
(理学療法)
鍼灸・マッサージ・整体・ストレッチなどを単独に、もしくは組み合わせて行います。
また問診・触診・検査等より体の状態を把握し、”何ともいえない辛さ”の改善を目指します。
①問診
まずは「問診票」にいろいろと記入していただきます。
●体のどこがどのように辛いですか?
●いつ頃から辛いですか?
●どの様な時に最も辛く感じますか?
●原因として心当たりはありますか?
●過去・現在のケガ・病歴
●この症状に関して、病院・治療院での受診の有無
●普段の生活状況(仕事・食事・趣味・睡眠時間など)
問診票へのご記入が終わったら、その内容についてご質問させていただきます。
②触診
次は実際に患者さんの体に触れて、体の状態を確認させていただきます。
③検査
検査では「骨格の形状」や「関節の動き」を踏まえた上で、
●体の各器官(手足など)が「発揮している筋力」
●体を動かした時の「関節の動き方」「痛みの有無」
●不調の原因が、どのあたりの神経に起因しているか?
などについて確認します。
そして患者さんには、「正常でない」ところを自覚していただきます。
④施術開始
問診・触診・検査を行ったら、「施術」の開始となります。
●マッサージ
●整体
●鍼灸
これらを、患者さんの症状に合わせて行います。
⑤施術終了
施術終了後は、次の事項について患者さんに確認していただきます。
●体の辛さがどの程度改善しているか?
●施術前の体(関節)の動きが改善しているか?
●体の各器官(手足など)が「発揮している筋力」が改善しているか?
<生活習慣の見直し>
自律神経失調症に対する施術で留意していることは「充分にお話を聞かせて頂くこと」、「出来る限りリラックスしていただくこと」です。
施術を受ける時、心や体が緊張したままでは充分な効果は期待できません。
また、あなたに適した施術方法を明確にするための貴重な情報となりますので、少々言いにくいことも包み隠さずお聞かせて下さい。
あなたのお話が症状改善の糸口となります。
このように施術にあたっては、患者さんの訴えを聞き逃すことなく正面から受け止め、その辛さを充分理解したうえで行うようにしています。
施術を「精神と身体」の両面から行うことで、改善効果がより高まると考えています。
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【自律神経失調症の訴えがある患者さんの声】
(50代 会社員女性 慢性的なだるさ・頻繁にでる微熱の訴え)
こちらの患者さんは会社勤務をしつつ、同居されているお父様の介護を5年近くされています。
睡眠時間も少なく会社の仕事以外の時間は、ほとんど自宅での介護に費やしている状況でした。
そのため、介護生活を始めた頃から「慢性的なだるさ」や「微熱」などの症状が出始め、病院で検査を受けるも特に異常はないとのことでした。
施術内容は次のとおりです。
■問診(特に症状・日常生活について)
■骨格の触診、筋力の検査、関節の可動性の確認
■精神的・肉体的な過緊張状態を改善するための全身マッサージ
■体の動きを妨げ、だるさの一因ともなっている関節の矯正
■体の動き・だるさの改善具合の確認後、鍼で調整して終了
2週間に1回の施術を3~4回行って、かなり症状には改善が見られました。
問診の際、多くのお話ができたことがご本人にとっては良かったようです。
その後は、不定期の施術で体調管理をされています。
また感想として、次のようなことを仰ってました。
<感想>
常ににだるくスッキリしない感じが続いてましたが、マッサージや鍼による施術を受けて、だいぶ楽になりました。
特に頭や首への施術が心地良く、久しぶりに体全体がリラックスできました。
鍼の施術は初めてでしたが、想像していたような痛みはほとんど無く、施術の後は体が軽くなったような感じです。
また色々と細かいところまで日常生活のお話を聞いていただいたことで気分的にも楽になり、頻繁に出ていた微熱もかなり減ってきました。
この状態を長く続けていけるよう、これからも施術を受けていきたいと思いました。