<”冷え”とは?>

昔から東洋医学では”冷えは万病のもと”と言われています。

「手足の先が冷たい」「お腹が冷える」など、体の各部に冷えを常日頃から感じている方は年々増加傾向にあるように感じます。

冷えは生活環境や生活習慣の影響に大きく左右されるものです。

<昔と今の生活環境の違い>

昔と今の生活を比較してみます。

■運動不足による筋力低下・血液循環の低下

昔は交通機関も今ほど発達しておらず、移動手段として”歩く”が当たり前だった。
また、子供は暗くなるまで外で遊び、老若男女問わず肉体労働も多かった。

■不規則な生活

昔は今のように24時間営業の店も無かったため、不規則な生活を送る人も少なかった。

■栄養の偏り

食べ物に関しては、栄養過多で偏食傾向な人が多い現代に比べ、昔は平均的に栄養を摂取している人が多かった。

■外部環境の冷却過多

家庭や会社にエアコンが常備されるようになって以来、暑い季節の電車・会社・スーパーでは冷房が効き過ぎ、上着をはおって寒さをしのいでいる人がいる。

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現在は非常に便利になってはいるものの、体の冷えが生じやすい環境に変化しているとも言えます。

<冷えるとどうなる?>

冷えがもたらす体の変調として次のようなものがあげられます。

■免疫力が低下し生活習慣病など、病気にかかり易くなる
■手足のしびれや痛み
■朝方ふくらはぎ・足の裏がつる
■体内の熱が逃げないよう血管が収縮し、血液循環が低下する
■血液中の栄養分・酸素の運搬、老廃物の排泄などが滞る
■健全な卵子が育ちにくくなり、妊娠しにくくなる
■妊婦さんの場合、胎盤の血流が悪くなると、赤ちゃんへの栄養が届きにくくなることもある

<冷えは改善できるのか?>

冷えの状態に当然個人差はあります。

冷えを感じるようになるにはそれなりの理由があるので、そこを修正していけば徐々に改善していくものと考えています。

ただし薬などに頼りきるのではなく、あくまで本人の改善努力が最も重要なところだと思います。

■睡眠時間
夜12時前には就寝し、少なくとも6時間以上の睡眠をとりたいところです。
良質な睡眠をとるために、就寝直前までのパソコン・スマホは極力避けましょう。

■偏食を避ける
脂っこい物、炭水化物、甘い物など、好物だからと言ってそればかりではホルモンバランスが崩れ、代謝や血流も低下します。
年齢を考慮した栄養の摂取に努めましょう。
また暑い季節、冷たい飲食物の摂り過ぎは要注意です。

■運動
心肺に負担の少ない有酸素運動(ウォーキングなど)によって血液が運んできたエネルギー源を消費し体熱産生を目指します。
血液循環の向上や老廃物の運搬促進などの効果も期待できます。

■靴
足の形に合わない靴は歩行の際、正しい足関節と筋肉の動きを妨げ、歩行バランスを乱し、背骨や股関節などの歪みを生じる原因にもなり得ます。
どうせ歩くなら、冷えの改善につながるような歩行を意識しましょう。

■お風呂、足浴
最近は浴槽のお湯につからずに、シャワーでお風呂を済ませてしまう人が増えているようです。
たまには入浴剤なども入れて体の芯まで温め、血管を拡張させてください。

■骨格・筋肉・神経
冷えにより血液の循環が低下してくると、血液から体への栄養分供給、また老廃物排泄が滞り、健全な筋肉が維持できなくなります。
疲労物質が排泄されない筋肉は柔軟性が欠如し、関節の動きや背骨・骨盤などの骨格も都合の悪い状態になってきます。その結果、スムーズな神経伝達が難しくなり、体を動かす際の筋力も充分に発揮出来ないものとなってきます。

■ストレス
仕事・人間関係・育児・介護など、誰もが多かれ少なかれ悩みや不安はあると思います。
でもそれが過剰になってしまうと自律神経に乱れを生じ、冷えをはじめとする体調不良があらわれます。
心や体の疲れが「溜まってるな~」と感じたら、整体・鍼灸・マッサージなどを受けて、気分転換することも良いと思います。

■基礎体温(女性の方へ)
基礎体温とは一般に、朝の起床時の安静時に計る体温のことで、毎日計って記録しておくと、体温の上昇下降の周期が分かるようになります。
エストロゲンが増えると低温期、プロゲステロンが増えると高温期が各々続きます。
自分の体温周期を把握しておくと、体調変化、妊娠しやすいタイミングや妊娠の有無、また更年期への対策など、多くのメリットがあるので、普段からの基礎体温のチェックをお薦めします。

■鍼・灸・整体・マッサージ
鍼・灸・整体・マッサージは、神経・筋肉・関節の機能を改善する効果があります。
ただし、冷えが慢性化している場合、これらの施術を1回受けただけでは、その場しのぎとなってしまいます。
定期的な施術だけではなく、生活スタイルの見直しがなければ慢性的な冷えを改善することは難しいと思います。
「定期的な施術」+「生活習慣の見直し」で、冷えを徐々に改善していきましょう。

<冷えに対する施術>

初診の患者さんにお身体の症状を尋ねると、多くの方が手足の冷えをあげられます。

ここで、仕事や家事が忙しく睡眠時間や食事の時間などが乱れてくると、内臓や血管の働きを調整している自律神経が乱れ、冷えをはじめとするさまざまな体調不良があらわれます。

自律神経は以下の交感神経と副交感神経に分けられます。

■交感神経:日中活動している時に活発に働く
■副交感神経:夜リラックスしている時に活発に働く

この二つが共にバランスよく働いていることが理想ですが、冷えを感じている方の多くは交感神経の働きが活発になり過ぎているようです。

当院の冷えに対する施術の基本は、温まりにくい体質を修復することです。

マッサージや鍼灸で血液循環を改善させるとともに、背骨や骨盤の動きを修復して神経伝達の改善も行います。

冷えの症状でお悩みの方は、是非一度ご相談ください。

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【冷え症の患者さんの声】

(20代 女性Kさん)

仕事の忙しさによる極度の全身疲労と冷え症で来院された方の症例です。

この方は食品加工会社に勤務され、仕事中は気温10度の部屋で食品加工の作業を行っているとのことです。

気温10度の部屋での仕事に加え、かなり腕や腰にも負担のかかる作業のようで、筋肉の柔軟性や関節の可動性に機能低下が見られました。

そして体は疲れているのに中々眠れず、風呂のお湯も44~45度くらいにしないと体が温まった感じがしないとのことでした。

このような症状に対し、次のような検査や施術を行いました。

■骨格の触診、筋力の検査、関節の可動性の確認
■お腹・背中・手足の各部を押した際の、痛みの感じ方の確認
■手首の脈の拍動について、脈の打つ速度・強さ・乱れの確認
■動きが低下している背骨や骨盤の関節を調整
■血液循環を向上させるためのマッサージ
■自律神経のバランスを修復するためのお腹や背中、手足への鍼と灸

<患者さんの感想>
 
病院の検査では特に異常はないと言われていたのですが、あまりにも体が辛いので治療院を探していました。

母には「ちゃんと検査とかやってくれるところじゃないとダメだよ」と言われ、そういうところを探していたところ優和治療院のホームページをたまたま見て、何となく良さそうだなと思って治療を受けました。

一回目の施術で鍼灸と整体マッサージを受けました。
 
治療直後は特に明確な体の変化は感じなかったんですが、翌朝はとても体がラクで仕事も集中してできました。
 
また、お風呂のお湯の温度がそれまで44~45度くらいにしないと体が温まる感じがしなかったのが、40度くらいでも温まった感じがするようになってきました。

寝付きも以前より良くなった気がします。

休みは少ないですが月一回は施術を受けて、徐々に良くなっている状態を維持したいと思います。